絶体絶命の中に開かれる奇跡の道──ゴールデンパスを歩むためには、その「出発地」と「目的地」を明らかにし、目的地へと「運ぶ力」を生み出さなければなりません。
では、その「運ぶ力」はどこから生まれてくるのか。私たちの内界、心です。
しかし、何もしないでその力が生まれてくることは決してありません。
自らの暗転した心を浄化し、光転を導く心を育んでゆかなければならないのです。
そのための重要な取り組みが、『新・祈りのみち』(高橋佳子著、三宝出版)です。
『新・祈りのみち』には、様々な闇の心を浄化してゆくプロセスが示された「こころに祈る」というパートをはじめ、内なる光の心を発掘し、育んでゆくための珠玉の言葉が数多くちりばめられています。
その中の1つ、「自律のことば」をご存知でしょうか。
以下、全文をご紹介します。
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清く生きる
想いにおいて 言葉において 行いにおいて
心の深みに微笑みを保ち
温かな言葉をのべ伝う
誉れを求めることなく ひたむきに愛を尽くす
心を開き
あらゆる存在を受け入れて
その生命に敬いと慈しみと感謝を
強く生きる
想いにおいて 言葉において 行いにおいて
怒り 謗り 妬み 恨み 僻み
傲慢 欺瞞 疑念 愚痴 怠惰
これら人として本然に生くる道を阻むものを
自らのうちより退けるに
雄々しく 逞しく 立ち向かうこと
簡素に生きる
想いにおいて 言葉において 行いにおいて
時と場のうちに 自らの求めるものを知り
絶えず信ずるものをこそ求める
自他を分かつことなく 欺くことなく
共にふり返り
神の理を自らの身体として
努力と祈りとを日々の友に
人々の眼となり 口となり 手足となることを
慈愛に生きる
想いにおいて 言葉において 行いにおいて
時の流れの早瀬にあろうと
喜びのときも 哀しみのときも
いかなる時と場にあろうとも
あまねく存在のうえに 限りなき慈愛を注ぐ
自ら選びたる時の総ては
力を尽くし 心を励まし
この慈しみを抱いてありたい
神の理によりて
とらわれの自己より離れ
本然なる愛の基に生きる自己に還らん
大地の如く
大地に営む
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「自律のことば」は、魂としての自らが、大いなる存在・神に対して、また自分自身に対して、「私は、この世界でこのように生きてゆきます」という志と願いの表明ではないかと思います。
「魂の学」の学び実践する方々の中には、この「自律のことば」を自らの生きる指針として、日々、唱え、心深くに刻んでいる方が少なくありません。
私も、すでに40年近く、「自律のことば」に親しみ、心の支えとしてきました。
いつしか暗誦できるようになり、朝目覚めたとき、夜休むとき、また道を歩いているときなど、事あるごとに口ずさみ、反芻することが習慣となりました。
何気ない日常の中で、また、試練や問題に遭遇したとき、人生の節目など、「自律のことば」が羅針盤のように自らの心を導いてくれたことを感じずにはいられません。
何度も読み返したり、朗唱したり、書写したり、また、これらの言葉を自分自身の生きる姿と重ねてリアルにイメージしてみたり、繰り返し心に深くしみ込ませてゆくこと──。そうする中で、言葉の1つ1つが自分の中で生き始めるような感覚が芽生えるときがあります。皆さんにもぜひ、オススメです。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)