コロナ禍の中、免疫の話がよく聞かれるようになりました。
私たちの身体には、体内に侵入した細菌やウイルス、また異常細胞を排除する免疫機能が備わっています。
免疫は、自然免疫と獲得免疫の2段構えになっています。
自然免疫は、体内に異物が見つかると、好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞がそれらを直ちに処理します。
獲得免疫は、T細胞やB細胞といったリンパ球が、1度感染した病原体を記憶して抗体を産生し、次に同じ病原体が侵入してきたときに、その抗体によってピンポイントで攻撃したり、感染した細胞を破壊したりします。
しかし、私たちは、身体の免疫は生まれつき備わっていても、心の免疫はあまり備わっていないのかもしれません。
何かあると、すぐに落ち込んだり、有頂天になったり、怒りが止まらなくなったり、他人のせいにしたり、しかも、1度その気分に支配されると、なかなかそこから抜け出せない。何度も同じ闇に支配されてしまう。
だからこそ、心の免疫は、意識して鍛えてゆく必要があるのではないでしょうか。
たとえば、日頃から自分の心がどんなふうに動いているのか、モニターするように観察してみる。闇の心が動いたと感じたならば、『新・祈りのみち』(高橋佳子著)で、その闇の心をつかみ、浄化する(「魂の学」を学んでいる方は、「止観シート」で心をつかむことも非常に有効です)。これは、自然免疫が常に体内をパトロールし、異物が見つかればそれを排除しようとすることに似ています。いわば、「心の自然免疫」のようです。
また、「止観シート」によって心をつかむ鍛錬を重ねてゆくと、同じような心の動きが何度も出てきます。たとえば、ある状況になると、決まって怒りがムクムクと湧いてきて止まらなくなってしまう。「またやってしまった」と後悔しても後の祭り……。
でも、「止観シート」で何度もその心の動きをトレースすることで、怒りの正体をつかみ、「今度、怒りが湧いたら、ストップをかけよう」と準備し、怒りに対する「抗体」をつくることができます。いわば、「心の獲得免疫」のようです。
様々な心の闇に対処できるいろいろな抗体ができてくると、思わぬ試練や問題が起こっても、心を病むことなく、健全な心を維持することができるようになるのではないでしょうか。
もちろん、心の免疫アップのためには、菩提心を育むことも非常に大きな力となります。
コロナの時代、身体の免疫とともに、心の免疫も高めてゆきたいですね。
その力はそのまま、ゴールデンパスの旅において、出発地から目的地へと運ぶ力となってゆきます。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
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