私たちの日常に絶えず現れるカオス──。
そのカオスには、大きく分けて(1)イベントカオス、(2)呼びかけカオス、(3)テーマカオス、(4)ご縁カオス、という4つのタイプがあることをご存知ですか?(詳しくは、『最高の人生のつくり方』P171~を参照)
『ゴールデンパス』では、その中の「呼びかけカオス」と「テーマカオス」が取り上げられています(P88~90)。
呼びかけカオスは、失敗や挫折、病や事故など、試練として私の前に現れるカオス。
一方、テーマカオスは、新たに挑戦するテーマとして私たちの前に現れるカオス。
呼びかけカオスの多くが外から突然やってくるのに対して、テーマカオスは自分が目標やテーマを持つことによって、自らつくり出すカオスです。
ここでは、テーマカオスについて、考えてみたいと思います。
「目の前の事態からテーマカオスをつくり出すことは、それ自体が、後に生まれてくる問題の打撃を最小化し、さらに新たな創造への道を開くことにつながります」(P128)
テーマカオスをつくることは、後に生まれてくる問題の打撃を最小化する。まるで「試練ワクチン」のようです。しかも、新たな創造の道を開いてくれる!
ならば、テーマカオスをつくってみたいですね。「カオス発想術の習熟という点では、このテーマカオスをつくり出すことに1つのゴールがあります」と書かれていますし、チャレンジしてみたくなります。
しかし、「まず、心に置かなければならないのは、テーマカオスをつくり出すことは難易度の高い挑戦であるということです」(P128)とも記されています。
さらに、「テーマカオスには時間的な条件があり、いつでも生み出せるわけではありません。もし、テーマカオス化するタイミングを逃してしまったら、それは、多くの場合、やがて試練に形を変え、呼びかけカオスとして私たちの前に現れることになるのです」(P90)
テーマカオスをつくりそこなったら、なんと、それは呼びかけカオスになり、試練に形を変えてやって来る! だとしたら、その前にテーマカオスをつくっておきたいですね。
では、どうすればよいか──。
その答えが、P128のコラムにあります。そこには、テーマカオスをつくり出すための3つのステップ(弱点の克服、前提の点検、挑戦の始動)があり、それぞれに「自分への問いかけの言葉」が記されています。
この問いかけ言葉がすごい。深いです。
今の自分、今の自分の現実に照らし合わせながら、これらの言葉を自分の心に投げかけてゆくと、気づかなかった自らの姿、見えなかった現実、取り組むべきテーマが見えてきます。まさに珠玉の言葉です。
これらは、1度読んで終わりではなく、何度も自らに問いかけながら、できれば、湧き上がる想いや気づきなどをノートに書いてみることをオススメします。きっと新たな発見が起こるはずです。
コラムは読み流してしまう方もいらっしゃるようですが、それはあまりにもったいないですね。ぜひ、じっくりお読みいただければと思います。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)