皆さんは、高橋佳子先生の本のタイトルはどのように決まると思われますか?
様々なケースがあり、一概には言えませんが、はっきりしていることは、「青写真がある」ということです。
青写真(ブループリント)とは、もともと建築や機械の設計図のこと。そこから転じて、ものごとの設計図、未来図を指す言葉となったものです。さらに「魂の学」では、ものごとに秘められたイデア(理想形)、大いなる存在・神との約束という意味が込められています(『ゴールデンパス』p136)。
以前、高橋先生は、担当編集者に向かって、こうおっしゃったことがあります。
「今度の本は、こういう本になります。その青写真がここにあります」
担当者は、先生が指さし、ご覧になっている空中の1点を目を凝らして見つめますが、何も見えません。「ほら、ここにあるじゃない。見えないの?」
凡人には見えない青写真――。しかしそれは、これから形になるべき新刊のタイトル、内容構成、デザインに至るまで、リアルなイメージとして、もう1つの次元にすでに存在していたのです。
そして、その青写真を目に見える形に表してゆくのが「創造」という営みであることを、編集者はその後の制作プロセスで身をもって体験することになりました。
また、あるときは、高橋先生から編集者に、「今度の本のタイトルを提案してほしい」と課題が与えられます。
編集者は、ない知恵を絞りに絞って、10、20、30、40……と様々なタイトル案を次々に提案してゆきますが、なかなか決定には至りません。昼夜を問わず、さらに新たな案をつくり続け、70、80、90、そして100近くになって、もうこれ以上は考えられないという状態になってしまいます。
ちょうどその頃、高橋先生の講演会当日を迎えていました。
いよいよ登壇直前というタイミングで、会場内にいた編集者の携帯電話が鳴ります。
なんと高橋先生からでした。
「降りてきましたよ!」
先生の第一声の意味がわからずにいる編集者に、先生は、
「今、新刊のタイトルが降りてきました。今回は〇〇という感じです!」
編集者が必死でそのメモを取っている間に、すでに先生はステージに立たれ、講演を始められていました。
先生は、「青写真のかけらは、誰に降りてくるかわからないものです」とおっしゃいます(『新・祈りのみち』P384)。しかし、その青写真をキャッチするためには、心の波動が宇宙・自然の法則と調和していなければならないのだと痛感します。
「青写真は、自分の一方的な欲望で描くものではなく、宇宙全体から、大いなる存在からもたらされる厳かで尊いもの──」(『ゴールデンパス』p142)。
この言葉の重みが改めて胸に迫ってなりません。
ちなみに、今回の『ゴールデンパス』は、最初に著者の高橋先生がタイトルを示され、そこから制作が始まってゆきました。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)