本ブログ第6回で、ゴールデンパスを歩むためには、人間を永遠の生命と捉える「魂の学」の人間観・世界観が必要であるとご紹介しました。
では、実際、ゴールデンパスはどのようして現れてくるのか──。
そのとき大切なことは、「宇宙との響働」であると著者は語ります。
「響働とは、周波数が共振するように響き合い、はたらき合うことです。つまり、私たち自身が発する周波数と宇宙の摂理が共鳴し合う『宇宙との響働』によって、ゴールデンパスは現れるのです」(『ゴールデンパス』P45)
その象徴的な事例として、心理学者ユングによって伝えられた「雨乞い師」の話が取り上げられています。少し長くなりますが、以下にご紹介します。
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昔、中国のある村で大変な日照りが続き、人々はあらゆる手立てを尽くし、祈り続けましたが、何カ月もの間、一滴の雨も降らず、困り果てていたとき、別の地域から1人の雨乞い師が呼ばれてきました。ところが、その男は、その土地に一歩足を踏み入れるや否や、近くの物置小屋にこもってしまいました。
3日間が過ぎ、4日目になったとき、何と村には大雪が降ったというのです。
驚いた村人たちは、その雨乞い師に「あなたはどうやって雪を降らせたのか?」と尋ねると、男はこう言いました。
「私は雪を降らせてはいない。この土地に入ると、すべてがタオ(道)からずれていたので、私自身も物事の秩序から外れてしまった。だから私は、自分がタオの中に戻るまで、小屋の中で待たなければならなかった」
つまり、雨乞い師は、この村にやってきて、自分が宇宙・自然の法則(タオ)からずれていることを感じ、それを修正するために小屋にこもっていた。そして、タオを取り戻して宇宙・自然に響き合うようになったとき、外で雪が降ったということです。(『ゴールデンパス』P48~49)
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この話の中で印象的なのは、「私は雪を降らせていない」という雨乞い師の言葉です。
彼は、自分が「雨や雪を降らせてやろう」と意図したわけではなく、その村に来たら、自分が宇宙・自然の法則(タオ)からずれてしまったので、ひたすらその自分の心を修正し、タオと調和する心を取り戻そうとしただけでした。そうしたら、図らずも、村には大雪が降ってきたという不思議──。
「雨乞い師がタオの力を得たように、私たちが宇宙・自然の根源に触れ、共振したとき、今まで起こり得なかったことが起こる──。ゴールデンパスは、そのように、法則に調和しようとする人間の努力の上に、それを超える、世界そのものからの贈り物としてもたらされるものなのです」(『ゴールデンパス』P49)
何という魅力的な生き方でしょうか。雨乞い師のように、ぜひ、宇宙と響働できる自分を育み、この人生の中にゴールデンパスを開いてゆきたいものです。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)