昨日(11月14日)、大阪のGLA近畿会館で「2021高橋佳子講演会」が開催されました。
会場に集われた多くの参加者の中に、詩人の片桐ユズルさんの姿がありました。
片桐さんは、まもなく91歳。京都精華大学教授として教鞭を執り、英語学や一般意味論などの研究を重ねながら、詩人として数多くの作品を発表し、1960年代から70年代のいわゆるフォークソング運動で多くの若者に影響を与えた社会活動家でもあります。
また、ボブ・ディランの全詩集の翻訳者として知られるほか、後年は、アレクサンダーテクニークをはじめ、心と身体の関係と調和を探求する領域にも活動の範囲を広げています。
その片桐さんが、高橋佳子先生に初めてお会いしたのは、今から10年ほど前のこと。
それ以前は、「魂は怖いもの」という受けとめ方があって(戦時中の大和魂への抵抗感が強かったそうです)、高橋先生の本を読んでもなかなか気持ちがついていかなかったそうですが、直接お会いした瞬間、片桐さんの内側で何かが決定的に変わりました。
その出会いの場に私も同席していましたが、高橋先生とお話している片桐さんは、みるみる顔が変わり、まるで少年のように初々しく、明るく元気になっていったのです。「とても気持ちがいい。すがすがしい」とおっしゃり、その後、「魂の学」を学ばれるようになりました。
とりわけ、GLAの研修施設がある八ヶ岳山麓が大好きで、80代後半になってからも、毎夏、重いリュックサックを背負って、1人で京都から山梨まで列車を乗り継ぎ、「かけ橋セミナー」(親子対象の「魂の学」の体験学習の場)にして参加していました。
そういうときの片桐さんは、輝いたお顔で、本当にうれしそうです。
「かけ橋セミナー」に参加した折に、このように語っていました。
――セミナーに参加してとても衝撃を受け、感動したことがあります。それは、高橋先生と出会った子どもたちが本当にいきいきと元気になってゆくこと。しかも、数百人が1つにまとまって、「自分だけよければいい」という気配がまったくないことです。これは、今の世の中では、驚くべきことです。私も長年、教育に携わってきましたが、高橋先生が子どもたちに語る言葉は、教科書用語ではなく魂からの言葉です。だから、子どもたちが自分で考え、自分で行動できるようになる。こうして、未来を担う子どもたちが高橋先生の「魂の学」を学ぶ場があることは、大きな希望です。――
また、先日も、「僕は、人前でめったに『頑張ります』とは言わないのですが、高橋先生にお会いすると、思わず『頑張ります!』って言ってしまうんですよ!」と笑いながら話していました。
90年を超える長き人生で、言語というテーマから出発し、その後、言葉の奥にある人間の心と身体の問題に取り組み、さらに高橋先生に出会ってからは魂の世界へのまなざしを深めながら、今、人生の総括に向けてゴールデンパスを開こうとされている姿に、大いに勇気を頂き、励まされる想いでした。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)