光り輝くひとすじの道──ゴールデンパスの出発点は、目の前の現実を「カオス」と受けとめるところから始まります。
でも、現実をカオスと受けとめることは、そう簡単ではありません。
本書にもこのように書かれています。
「目の前にカオスが現れていても、私たちは、それに気づけないことが少なくありません。そのカオスが暗転に結晶化して初めて、問題として認識することになるからです」(『ゴールデンパス』P128)
ここでは、少し違った角度からカオスを眺めてみましょう。
『未来は変えられる!』(高橋佳子著、三宝出版)という本の中に、こんなことが書かれています。
──この世界には、2つの時間の流れがある。1つの時の流れは「結果ストリーム」。そこでは、次々に「結果」が現れてくる。もう1つの時の流れは「原因ストリーム」。そこでは、「結果」に先行する「原因」が次々につくり出されている。どちらのストリームを生きるかによって、私たちの日々の生活はまったく変わってしまう。──
たとえば、目の前に次々と現れる出来事(結果)に一喜一憂を繰り返している人は、「結果ストリーム」の住人です。
一方、自分が願う「結果」をつくり出すために、どのような「原因」をつくればよいか、それを前もって考え、様々な準備をしている人は、「原因ストリーム」の住人です。
たとえ2人の人が同じ場所で一緒にいたとしても、それぞれが「結果ストリーム」と「原因ストリーム」の住人であったとしたら、別の宇宙を生きているほどの決定的な隔たりがそこに生まれているということですね。
著者は語ります。
「カオスは、『結果ストリーム』の中に見つけることはできません。『結果ストリーム』の中では、カオスはカオスのままにとどまることはできず、すぐにマルとバツの姿に結晶化してしまうからです。カオスが生息できるのは、『原因ストリーム』という宇宙の中だけです」(『未来は変えられる!』P30)
カオスは「結果ストリーム」の中では生息できず、「原因ストリーム」の中だけに生息している──カオスは不思議な生き物ですね。
では、どうしたら「結果ストリーム」から「原因ストリーム」に移動し、カオスを見ることができるのでしょうか?
「目の前の現実を本当に何とかしたい。その責任を自分が引き受けようと思った人だけが、原因ストリームに踏み入ることができる。そしてそこで、カオスを見ることができる。さらに新しい未来のための原因をつくることができるのです。ですから、もしあなたが、今、結果ストリームの中を生きていると感じるならば、時空の壁を越えて、原因ストリームにジャンプしなければなりません」(『未来は変えられる!』P30-31)
「目の前の現実を本当に何とかしたい」と思うこと。
そして、「その責任を自分が引き受けよう」と思うこと。
心からそう思い、願うことが、「結果ストリーム」から「原因ストリーム」にジャンプする秘訣であり、カオスを見るための条件なのですね。
しかも、そのジャンプは「時空の壁」を越えるもの。カオスが見える人と見えない人では、まったく次元が異なる世界の住人──。
逆に言えば、カオスを見ることができるようになることは、それほどの飛躍を私たちにもたらしてくれるということではないでしょうか。
この『未来は変えられる!』では、「結果ストリーム」から「原因ストリーム」にジャンプする方法が、ステップを踏んで詳しく解説されています。
サブタイトルも「試練に強くなるカオス発想術」。まさにカオスの基本を理解するにはうってつけの本です。
ゴールデンパスの出発地に私たちを立たせてくれる「カオス発想術」の基本をマスターしたい方は、ぜひ1度、『未来は変えられる!──試練に強くなる「カオス発想術」』をお読みください。
この本は、「過去の意味を変え、未来の現実を変える人生タイムマシンのつくり方」が書かれた本でもあります。人生タイムマシンって何でしょう? なんだか面白そうだと思いませんか?
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)