中島広宣さん(株式会社エルエックス代表取締役)
本を読むのは、もともと苦手意識が強い私でしたが、高橋先生の本は全く違います。特にこの本は吸い込まれるように読んでしまいました。
とりわけ、第4章の「心に人を住まわせる」というタイトルにはハッとしました。
というのは、たとえば社内で上司として大切な話や注意をしなければならないとき、部下が座っていようが立っていようがお構いなしで、自分は立ったまま、時には歩きながら話す。しかも、肝心なところになると早口になり、話し終わると、部下の反応も確認せずに立ち去る……。これでは、相手の心に届くはずがありません。部下のことを真剣に考えているつもりでしたが、「心の中に人がいますか?」と改めて問われたように思ったからです。
振り返れば、部下の立場に立とうとせず、「私は経営者で忙しい。察してよ」という気持ちがあったこと。複雑な生い立ちの中で、心の奥に「本当のことを言ったら終わり」という想いが根深くあり、無意識のうちにも大事な話を避けようとしていたことにも気づきました。
それだけに、この章の実践モデルとして紹介されている写真家の緒方啓助さんが、「どれほどのお気持ちで、日々の挑戦をしてゆかれたのだろう」と、心に沁みてなりませんでした。
同時に、「心に人を住まわせる」ための具体的な実践方法についても書かれていて、すぐに実践できます。そして、「心に人を招き入れてほしい。人との関係が新しくなるだけではない。人生が生まれ変わってしまう」(132頁)という言葉には、本当に希望と勇気が湧いてきます。
「この本はすごい! 1つの章を読むだけでも人生が変わります!」
今、街行くお1人お1人にそう伝え、本書をお渡ししたい気持ちでいっぱいです。