金継の美。それは偶然と必然が交錯しながら、一切が生起する宇宙そのものが生み出した新たな創造です。大げさに聞こえるかもしれませんが、決してそうではないのです。重要なのは、器を台なしにしたり、無価値にしてしまったりする、ひびや傷自体が新たな美を生み出すということ―。『2つの扉』から

その根底に流れる哲学に、多くの人が共鳴しました。でも、それは器や工芸品だけのことなのでしょうか。私にはそう思えません。私たち一人ひとりの人生にも、それは当てはまるのではないでしょうか。『2つの扉』第6章 困難から宝を取り出す