平松義朗さん(松栄電子工業株式会社 代表取締役社長)
『2つの扉』は、すでに4回読みました。読むたびに、「こんなことが書いてあったんだ!」「全然わかっていなかった」と思うほど、新たな発見があるのです。
とりわけ心に残ったのは、第4章「心に人を住まわせる」でした。高橋先生は、この章の中で、他者不信の傾向がある方に、ちょっとした実践として、「笑顔で挨拶する」ことを誘われています。
その中の「……私が変わり、間の気配が変わり、そして相手が変わってゆく。これが、あらゆる人間関係を改善してゆく、もっとも効果的で有効な方法なのです」(140〜142頁)という一文を読んだとき、社長に就任した約30年前のことを思い出しました。
もともと私は笑顔が苦手で、当時は「経営者は、厳しい顔をしていないと社員になめられる」と思っていたため、会社では一切笑うことがありませんでした。周りからは、「背広を着た冷蔵庫」と言われていたほどです。
そんな私が、「魂の学」を学ぶ中で、「笑顔で挨拶する」ことに挑戦したのです。最初、鏡の前でニッコリする練習をしましたが、何度やっても変な顔にしかなりませんでした。
しかし、ぎこちなくても、何とか笑顔で挨拶しようと努めているうちに、気がつくと、社員の皆さんとコミュニケーションができるようになり、暗かった会社の雰囲気が明るく変わっていったのです。「社長が変われば、会社は変わるんだ! 今まで私は何をしていたんだろう」と目が覚める想いでした。以来、笑顔で関わる挑戦はずっと続けています。
ここで挙げたことは、ほんの一例に過ぎません。この本には、目の前の現実や人間関係を転換し、人生を劇的に変える鍵や具体的な方法が満載されています。
「会社を変えたい」「社員と協同したい」「組織を明るく活性化したい」と願うすべての経営者やリーダーの方々に、「この本に書かれていることを実践すれば、必ず会社が変わります!」と声を大にしてお伝えしたい想いです。