新刊『ゴールデンパス』では、「人生創造の方程式」(カオス×受発色=光転・暗転の現実)が何度か出てきます。
これは、日々の私たちのすべての言動は、カオスに触れ、それを結晶化させる行為であることを示すものです。
目の前の現実はどのようにつくられているのか?
私の人間関係はどうしてこうなっているのか?
なぜ私はこういう人生を生きてきて、今後どんな人生になってゆくのか?
多くの人が「そんなことは考えてもわからない」「なるようにしかならない」「自分でどうこうできるものでもない」……と思ってきた謎。
その謎を解いて、自分の意志と選択で人生の舵を取ることを可能にしてくれるのが、この「人生創造の方程式」です。
これは、まさに「こうすればこうなる」ということを示す「方程式」であり、24時間、世界と人間を支配し続けている「法則」です。
日々のちょっとした出来事も、この法則を当てはめてみると、からくりが見えてくることがあります。
私事で恐縮ですが、以前、病で入院していたとき、同室に、事あるごとに看護師さん当たり散らし、文句を言い続けてやまない患者さんがいました。
ある夜、事の経緯は定かではありませんが、言葉を荒げる患者さんに、看護師さんも強く叱責し続け、それに対して患者さんがさらに反発し、いつまでたってもおさまらず、ついに部屋中が騒然となったことがありました。
やがてその看護師さんは出てゆき、しばらくすると、別の看護師さんが入ってきたのですが、その方はとても穏やかに、患者さんのすべてを受容し、包み込むような雰囲気で語りかけ、話を聴いてゆかれたのです。
すると──今まで怒りまくっていた患者さんが、次第に落ち着き、看護師さんとの会話が成立するようになり、自分の境遇や気持ちを話し始め、最後は丁寧な敬語で、別人のように紳士的になって、感謝の言葉を何度も述べていました。
どこにでもあるような出来事かもしれませんが、この光景に接したとき、患者さんの変貌があまりにも鮮やかだったので、私は「人生の方程式」のことを思わずにはいられませんでした。
「言葉を荒げて怒っている患者さん」という「カオス」に、拒絶と叱責という「受発色」で関われば、患者さんはさらに荒れて、殺伐とした「暗転の現実」が生まれる。
「言葉を荒げて怒っている患者さん」という「カオス」に、受容と共感という「受発色」で関われば、患者さんは落ち着きと穏やかさを取り戻し、温かい「光転の現実」が生まれる。
人間の受発色一つで、これほど見事に現実は変わるのですね。
このことを、『ゴールデンパス』の著者・高橋先生に、新刊の打ち合わせの折にお話ししたところ、先生は微笑まれて、「そう、人生創造の方程式はすばらしい神理でしょう? 本当に意味で、人間と世界の秘密、シークレットです。この法則を知っているかいなかで、人生はまったく変わってしまいます。もっと多くの人々に知っていただきたいですね」とおっしゃいました。
『ゴールデンパス』第2章でも、ミャンマーで国際医療活動に従事する名知仁子さんが、ご自身が理事を務めるNPO法人の理事会で不協和音が生じたとき、以前なら人の意見を拒絶して相手を打ち負かそうとしていたのをとどめ、皆の願いに想いを馳せ、気持ちを受けとめてゆくと、理事会はまったく違った気配になって全員が主体的に取り組むようになったというエピソードが紹介されています(P109~112)。
皆さんも、日々の出来事や体験に、「人生創造の方程式」(カオス×受発色=光転・暗転の現実)を重ね合わせてみてはいかがでしょうか。心と出来事の間にはたらくエネルギーの流れが手に取るように見えてきて、「まさに方程式通り!」と実感されるに違いありません。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)