宇宙との響働──。とても魅力的な言葉です。
それは、1人ひとりの心が発する周波数と宇宙の摂理が共鳴し合う現象であり、ゴールデンパスを歩むために不可欠の条件でもあります。
では、宇宙との響働はどのように現れてくるのか、その4つの「しるし」が、『ゴールデンパス』に記されています。
①意味ある偶然の一致が起こる
②助力者が現れる
③障害を打開する手がかりが与えられる
④思わぬところから道が開かれてゆく
「これらのいずれもが、私たちに世界の見えないつながりがあることを教えています。私たちは、偶然が支配する無機的な世界に生きているのではなく、内と外がつながり、シンクロする世界に生きているのです。私自身、数え切れないほど、このようなしるしを経験してきました」(P227)
ここで、著者自身が語る幼いときの体験をご紹介します。
──9歳のとき、11月初旬の夜でした。机に向かっていると、ふとした拍子に鉛筆が転がり落ちました。拾おうと手を伸ばしたそのとき、人の気配を感じ、視線を上げると、着物を着た男性がそこに立っていたのです。
それは、長野の佐久にいるはずの父方の祖父でした。
藍染めの着物を着て、日焼けした顔で微笑みながら、祖父は私に、貧しさの中で苦労して10人の子どもたちを育てたことや、子どもたちの中でもとりわけ父は親孝行で優しいことなど、訥々と話してくれました。
そして最後に、「じいちゃん、もう行くよ。お迎えが来るんだ……。佳子も元気でな」と言うと、スーッと消えていったのです。もう祖父の姿は見えませんでした。
祖父に可愛がられてきた私は、悲しくて泣きました。
一番伝えたかったのは、最後の言葉──。そしてそれは、父へのメッセージだと思い、父の帰宅を待って、その出来事を告げました。
「本当にじいちゃんだったのか? 『お迎え』って言ったのか?」──。そう尋ねる父に私がうなずくと、父は「そうか……」と応えたきり、しばらく黙っていました。──
(高橋佳子著『魂の発見』より)
その後、間もなくお祖父さんは帰らぬ人となりました。
著者が心の眼で観たお祖父さんは「もう行くよ。お迎えが来るんだ」と語り、現実の肉体を持ったお祖父さんは、その後、しばらくして息を引き取った──。これも、宇宙との響働のしるしの一つ、「意味ある偶然の一致」(シンクロニシティ)ではないかと思います。
そして、その共振の扉を開くためには、心と現実、見えない世界と見える世界のつながりを信じ、心の準備を整える必要があるということ──。前回ご紹介した「菩提心」を育み、心の歪みを修正することによって、少しでも内(心)と外(現実)との共振を起こし、宇宙の響働できる自分になってゆきたいものです。
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)