菩提心とは、本当の自らを求め、他を愛し、世界の調和に貢献する心――。「魂の学」の大切なコンセプトの1つです。
『ゴールデンパス』の中に、このような一節があります。
「心がバランスを取り戻し、菩提心に近づいてゆくと、世界と響き合い、共振が始まり、その奥にある魂の力が現れてきます。過去のいくつもの人生で蓄えた智慧や、宇宙・自然の法則に則した引力と斥力、それまでは別々になっていた異質なものを結ぶ力、過去・現在・未来をつなぐ力……等々が現れてくるのです。自分の力量以上の智慧がはたらいたとしか思えない判断や行動が生まれたり、近づいてはならないものに近づかず、引き寄せるべきものを引き寄せることができるようになったり、過去の呼びかけを現在に生かし、未来の記憶を生きることができるようになったりするということです」(P224)
いかがでしょうか。注意深く読むと、すごいことが書かれていることがわかります。
心に菩提心を育んでゆけば、まるで超能力のような力が授けられると言っても過言ではないかもしれません。
著者は、「菩提心には2つの種類がある」と語っています。
第1の菩提心は、4つの心のタイプの歪み(煩悩)を修正してくれる菩提心です。
いわば、病の治療薬のような感じでしょうか。
「魂の学」を学ばれている方、またこれまで「魂の学」の本を読まれている方は、菩提心には12の心[月、火、空、山、稲穂、泉、川、大地、観音、風、海、太陽]があることをご存じと思います。ここでは、この12の菩提心の観点から考えみたいと思います。
快・暴流の歪みの修正には、「月の心」「稲穂の心」「観音の心」
苦・暴流の歪みの修正には、「空の心」「川の心」「海の心」
苦・衰退の歪みの修正には、「山の心」「大地の心」「太陽の心」
快・衰退の歪みの修正には、「火の心」「泉の心」「風の心」
タイプによって歪みを修正する菩提心が異なるということです。
逆に、この処方を間違えると、修正の効果が十分に現れないこともあるかもしれません。
そして、第2の菩提心は、第1の菩提心が育まれるにつれて、心の奥から輝くように生まれてくる、その魂がもともと抱いている光です。すなわち、
快・暴流は、「山の心」「大地の心」「太陽の心」
苦・暴流は、「火の心」「泉の心」「風の心」
苦・衰退は、「月の心」「稲穂の心」「観音の心」
快・衰退は、「空の心」「川の心」「海の心」
4つの闇・煩悩の奥に、このような菩提心が眠っているのですね(著者はこれを「大菩提心」と呼んでいます)。
こうしてみると、4つのタイプごとに、第1の菩提心が3つずつ、第2の菩提心が3つずつ、きれいにあてはまっています。
しかも、快・暴流の第1の菩提心は苦・衰退の第2の菩提心であり、苦・暴流の第1の菩提心は快・衰退の第2の菩提心であり、苦・衰退の第1の菩提心は快・暴流の第2の菩提心であり、快・衰退の第1の菩提心は苦・暴流の第2の菩提心――というように、まるでパズルがはまるように見事な組み合わせになっています。
きっとこれも、宇宙の法則の現れの1つなのかもしれません。
『ゴールデンパス』には、このように書かれています。
「このような心を整える歩み、内界の調和と進化──。それは、私たちがゴールデンパスをつくり出すために不可欠なものです。第1章の雨乞い師のように、何ものにも束縛されない自由さを抱きながら、世界を貫く法則、神理に従う菩提心に近づいてゆくこと。それこそが、世界との共鳴装置をつくることであり、宇宙との響働の練習とも言えるものなのです」(P226)
(注1:上記の4つのタイプと12の菩提心の組み合わせは、1つの目安です。ご自身を振り返ったとき、GLAの「新年の集い」で受け取られた「神理カード」に記された菩提心と上記の組み合わせが一致しないと感じられることもあるかもしれません。その場合は、頂いた「神理カード」の菩提心を大切に育んでいただければと思います)
(注2:4つの煩悩と菩提心の関係について、さらに詳しく知りたい方は、高橋佳子著『魂の冒険』P198-199の表をご参照ください)
(編集部N)
『ゴールデンパス──絶体絶命の中に開かれる奇跡の道』(高橋佳子・著)
四六判並製 定価 1,980円(税込)