現代は知と意の社会である。文明は栄え、物資は豊富に出回っている。が、人びとは我を忘れ、あるいは無理矢理自分を押し込め、駆けづりまわっている。なんでそんなに急ぐ必要があるのだろう。老いてはじめて人生の空しさを感ずるのでは遅すぎる。混迷と不安の原因は、心不在の生活態度にある。自分さえよければ人はどうでもというエゴイズムが、争いや孤立に拍車をかけている。
本書は、人間の原点に立って、人間の肉体と意識が大自然の関係において、どのような仕組みで成り立っているかを明らかにした 空前絶後の書といってよい。かつて釈迦、イエス・キリストは、人間の心を説いた。 著者もその心にかえって、苦楽の原因、心の安らぎを誰にもわかりやすく明らかにしたのが本書である。(本書「あとがき」より抜粋」)
内容の一節
人の心は本来、自由である。 その広がりは、宇宙大にまでおよんでいる。ふつうは、その広がりを体験として認識していないだけの話である。 しかし私達が夜空の輝く星々をみて、大宇宙は広いなあーと感ずる心は、宇宙大にひろがったその心を客観的に感じているのである。 誰しもそうした心を内在しているのだ。(本文290頁)