忙しさや心配事に心を奪われ、日常の中に埋没してすべてに慣れてしまった心には、どんなことも当然のようにしか映らず、不思議を不思議と感じられません。それは、世界と直接に触れ合うことも、世界と共振することも忘れてしまっている心だからです。その心では決して見えないもの、聞くことのできない次元──。それが「つながりの不思議」です。
身のまわりのささやかな事象から、遙かな宇宙の果てまで、くまなく張り巡らされている「つながり」──。人と人、人と人生、人と宇宙の間を結ぶ絆──。そのつながりの真実は、本書で一端を示したように、本当に人間の思惟を超える神秘としか言いようのないものでありながら、揺るぎなく私たちの存在を支え、守り続けているものです。
……本書を手がかりに、「つながり」の扉を開けて、宇宙というワンダーランドをぜひ、親子で一緒に探訪していただきたいと思います。その一歩から、日常生活の中に、不思議なつながりの次元が開かれ、新しい響き合い、新しい人生が生まれることを願ってやみません。(本書「あとがき」より抜粋)