「宿命」は、如何ともし難い圧倒的な力をもって、人生を支配します。不自由と不条理に満ち、環境の奴隷のままに生きざるを得ない人生の悲しみ、切なさ──。
しかし、著者高橋佳子氏は訴えます。
「人間はただ無力にその虚無に蝕まれ、宿命に支配されるだけのものではないのです。宿命という重力を受けているということは、逆にそれだけ常にその桎梏から解き放たれることを求める不屈の思念が一人ひとりの内に胚胎していることに他ならないからです」──。
本書には、このメッセージを証すように、宿命の闇を使命の光に転じた人々の人生が描かれている。未だ隠れたる本当の使命を探そうと願うお一人お一人への限りない励ましと希望を与えてくれる一冊。
『天の響 地の物語』高橋佳子著