「私が変わります」が地球を守る──21世紀人間環境宣言

脇本忠明(わきもとただあき)著 四六判並製 184頁 定価(本体1,400円+税)

地球環境問題解決への「鍵」は、 一人ひとりの熱い想いと行動にこそある。

概要
有害化学物質による環境汚染の問題に、長年取り組んできた著者が、根本的に環境問題を解決するための道を分かりやすく解き明かす。わが国のダイオキシン研究をリードし、市民や自治体、また政府にも積極的にはたらきかけてきた体験をもとに、科学者である前に「一人の人間として」熱く率直に語りかける。地球と人間の生命を守るために、今私たち一人ひとりに何ができるのかを具体的に示してくれる。
目次

プロローグ――地球を守り、一人ひとりの生命を守るための突破口を求めて

第1章 明日なき「地球環境」――解決への道はどこに?

第2章 20世紀の「人間環境宣言」とその後の歩み

第3章 求められるパラダイム転換

第4章 提言――21世紀人間環境宣言

第5章 アクションプログラム――地球を守るために、家族を守るために、私たちに何ができるか

エピローグ――21世紀を担う若者たちへ

内容の一節
私はあらん限りの力を振り絞って叫ばずにはいられません。「さあ一緒に『一人の人間として』という原点に還ろうではありませんか。今こそ人間としての原点から、人間と地球環境の新しい関係を創り出すときが来ているのです」と。
(「第4章 提言――21世紀人間環境宣言」130頁より)

読者の声

  • 環境問題についての考え方が変わった。
    今まではその原因物質と要因の究明のみを行うだけで、人間の意識の重要性を考えてはいませんでした。しかし今、意識のあり方を知り、自分にも何かできることがあると確信しました。
    (20歳女性・学生・東京都)
  • 一人ひとりが変わることでこの地球を守ってゆきたい。
    感動しました。地球によって生かされている自分──。一人ひとりが変わることでこの大自然を守り、美しい環境を、そして美しい心を次の世代に残してゆかなければならないと強く思いました。
    (67歳女性・音楽家・神奈川県)
推薦者の言葉
20世紀システムの破綻は誰の目にも明らかである。
問われているのは、新しい社会システム、ライフスタイル、そして価値観の創造である。
これは途方もなく困難で長い闘いであろう。政府主導ではない、一人ひとりの熱い思いと行動が鍵である。私が変われば、日本が変わり、世界も変わる。
著者のダイオキシン、PCB研究と教育の長い年月が結実させた「環境宣言」である。
──立川涼氏(愛媛県環境創造センター所長、元高知大学長、愛媛大学・高知大学各名誉教授)


脇本教授は、有害化学物質による環境汚染のパイオニアとして、PCB、農薬、そしてダイオキシンの汚染など、わが国におけるこの分野の研究をリードし、闘ってこられた。
その背景にあるのは、彼の真っ正直な性格と優しい心であるが、同時に人類の将来への危機感であろう。
化学物質とのつきあい方を中心に科学技術を発展させてきた人類が今、立ち止まって見つめ直すには格好の良書である。
──森田昌敏氏(国立環境研究所統括研究官)
書評
約30年にわたリ国内外でダイオキシン研究を続けてきた愛媛大農学部の脇本忠明教授(62)=環境科学=がこのほど、広く環境間題を考えてもらおうと「『私が変わリます』が地球を守る」を出版した。
専門用語は極力使わず、自らの研究を踏まえ、人間と環境のかかわり方を提言。
国内外で数々の「環境宣言」が採択されながら、悪化の一途の地球環境に歯止めをかけるには、まず個人の意識改革をと訴えている。 脇本教授はべトナム戦争の影響で、ダイオキシン汚染が同国で「異常を通リ越していた」ことに衝撃を受け、ダイオキシンやPCBなど有機塩素化合物の環境汚染の研究を続けてきた。

瀬戸内海で調査した際には、企業や漁業者、行政などとの板挟みで苦悩したが、「環境科学者は分析者で終わってはいけない。どろどろしたことも覚悟の上で発言しなければ」と提言してきた。

同教授は「ダイオキシン対策は生活ごみを減らすしかない。行政や企業の役割には限界があリ、個人の意識を変えることが最優先。この本が21世紀の環境宣言になれば」と話している。
──愛媛新聞(2002年8月4日)に掲載


ダイオキシンの研究で知られる脇本忠明愛媛大教授が近著『「私が変わります」が地球を守る』の中で「21世紀人間環境宣言」を提言している。
「人間環境宣言」といえば30年前に国連から発表されたものがある。
その背景にはローマクラブが「成長の限界」で提起した問題意識があった。「グローバルに考え、ローカルに行動する」ために、皆の参加、協力が不可欠だ、というものである。

この宣言が世界に与えた影響は大きい。日本の環境庁の活躍もそこに端を発している。
様々な対策、国際交渉が行われ、環境問題は多くの人々の共感と理解を得ている。にもかかわらず現実には、温暖化一つをとっても対策のスピードは事態に追いついていない。地球環境という人類生存の土台が壊れるのは、時間の問題だと既に多くの科学者はあきらめつつある。もっと根本からのアプローチが必要なのだろう。

脇本教授によると、ダイオキシン問題の元々はごみ問題にある。これは私たち一人ひとりのライフスタイル、その前提にある生活意識、とりわけ私たちを支えてくれる地球環境の恩恵に対する受けとめ方と不可分のものであるという。確かにこの環境の危機を自分の責任と受けとめ、地球環境の働きに自発的に応える、という意識変革の必要がある。

科学者も、現実がどのような危うい未来をつくろうとしているのか、その因果関係を科学の分野だけに限らずもっと幅広くとらえ、社会にも発信してゆく必要があろう。
それが「科学者である前に一人の人間である」ということではないか。 解決困難な事態に対して、枠組みをこえて対峙(たいじ)しなければならないのは環境問題には限らない。20世紀は専門分野を細分化し、事態の理解を細かく掘り下げることには大きな成果をあげたが、それを統合する力は弱まった。
経営や政治の世界にも同様の取り組み方が必要な問題が山積していると思われる。(瞬)
──朝日新聞(2002年8月22日)夕刊「経済気象台」に掲載

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